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月の穴場

斎藤 豊
昭和3年11月江別生まれ 自転車にテントを積み込み、北海道の全沿岸2,400キロを自給自足で9年間釣り歩く。 NHKをはじめ各民放テレビ・ラジオに出演。

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2011年10月号 

 ゴツゴツと餌を噛み切るような荒っぽい魚信(あたり)。蛇そっくりに身をくねらせながら上がってくる長い体。がっと開いた口。鋭くとがった白い歯。ギラリと光る金色の目…。もしこんな魚が予期せぬときに釣れたとしたら、如何なる釣り師といえど一瞬身がたじろぐだろう。この魚、夜行性で通称ハモ(鱧)と呼ばれるウナギ目アナゴ科のマアナゴだ。
 今のようにキャップライトの無かった昭和30年頃である。噴火湾や室蘭から苫小牧にかけての太平洋沿岸は、夜ともなればカーバイドランプが波打ち際に連なって正に釣り銀座。狙いは言うまでもなくハモ釣りだった。日中は海藻の生えた砂泥底の穴に潜み、夜になると穴から出てきて餌をとることから、仕事を終えた後でも虻田や登別、苫小牧、門別方面へ夜釣りに出かけたものだった。そのハモが、一時は途絶えはしたものの近年再び昔通りに復活の兆しを見せている。人気釣り場は道央圏から至近距離の苫小牧東港。
 昨年10月、見たことも釣ったこともないというEさんとハモ釣りに挑戦した。竿を出したのはコールセンター前岸壁。2本の竿を遠・近に投げ分け待つこと数時間、23時過ぎに暫く近投の竿にゴツ、ゴツッと来た。慌てて合わせをくれると重量感たっぷりの手応え。身をくねらせながら、上がってきたのは60センチ超えの大型ハモだった。30分後にはEさんの竿にも54センチの良型。その第1声は「気持ち悪~い、外してぇ!」。何せ、ハモは海蛇の遠類なのである。