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月の穴場

斎藤 豊
昭和3年11月江別生まれ 自転車にテントを積み込み、北海道の全沿岸2,400キロを自給自足で9年間釣り歩く。 NHKをはじめ各民放テレビ・ラジオに出演。

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2010年9月号 

 巷で釣りキチ3バカトリオと呼ばれるAさん、Mさん、私。今年もカラフトマスに挑戦すべく知床までやって来た。夜中の到着とあり、日中は観光客で賑わうオシンコシンの滝駐車場も車は疎(まば)ら。待つこと数時間、4時頃になってオホーツクの海も薄っすらと明けて来た。車もいつの間にか数十台に増えている。ガヤガヤと釣り準備に忙しいマス釣り人。我々も遅れじとロッドを携え釣り場に下りる。飛ばしたウキが流れるとまたすぐ投げ直す。そのうちに隣のAさんに突然ヒット!型は52センチと小振りだが、超銀ぴかカラフトマス第1号だ。これを見て我々もすっかりやる気が起きてきた。
 翌朝4時過ぎに再びオシンコシンの岩場に入る。Mさんが、でっかい金槌(かなづち)をリュックに仕舞い込んできた。釣れたら1発叩きのめすという。Aさんは私の右隣、Mさんは1人おいて左隣へと並ぶ。ところがMさん、いつの間にか目の前の小岩に乗ったらしい。「ちょっと、ちょっと!」と隣の人。振り向くと「あんたの連れ、ここで何かやってるよ~」。見るとMさん、重い金槌を背負ったまま手足をばたつかせてアップ、アップともがいている。一瞬びっくりしたが、よくよく見ると何と深さはヒザかぶ程度。うつ伏せのままバタバタやっている本人も、まさかこんな浅い所だとは思っていなかったらしい。一緒に来ただけに、こっちもすっかりバツが悪くなって早々と退散。Aさんしきりにこぼす。「もちょっとすれば釣れたのにぃ!」