トップが求める社員像就職試験戦線"必勝法"

掲載号・2008年3月
“流通企画会社”に求められる論理的思考

 1971年、日本のコンビニエンスストアの草分けとなる第1号店を札幌市内にオープン。自社開発商品、豊富な生鮮品など他社と一線を画した独自戦略で着実な成長を続け、店舗数は1000を超える。

セイコーマート

西山政市社長

1938年深川市生まれ。青山学院大学経済学部卒業後、拓銀に入行。その後、日糧製パンで常務、専務を務め、99年、セイコーマート顧問に就任。専務、代表取締役副社長を経て07年6月から現職。
 ――業界の現状は。
西山 国内にコンビニエンスストア(CVS)は35チェーンで約4万3000店あり、売上高規模は7兆6000億円です。業界は成熟期を迎えており、道内も飽和状態でこの5年間、CVSの店舗数はほとんど変わっていません。
 ――そんななか着実に成長を続け、道内で最も店舗数が多い。今後の事業の方向性を教えてください。
西山 当社は10年以上前から飽和状態を予見し、独自路線で脱CVS化を図ってきました。若者だけではなく、老若男女に利用していただけるよう生鮮品やお米、トイレットペーパーなどの生活必需品なども揃え、幅広いラインアップになっています。今後も自社開発のオリジナル商品、店内調理の弁当販売「ホットシェフ」、豊富な生鮮品をさらに差別化の武器として成長させていきたい。
 また、企業にも社会的役割も求められている時代です。今後、道内の人口減少が加速すると思われますし、地域間格差も拡大していくでしょう。北海道を基盤として成長してきた企業として、地域活性化のためにできるだけのことを行っていきたい。道産品を活用した商品開発に今まで以上、積極的に取り組み、地産地消を推進します。
 1月には、道内全域に張り巡らせたネットワーク網を生かし、災害時の物資供給をはじめとする道との包括的な協定も結びました。環境に関する取り組みとしては、2005年から牛乳パックリサイクルを開始し、続いて古紙回収、たまごパックリサイクルを行っています。
 ――セイコーマートでの仕事の魅力は何でしょうか。
西山 セイコーマートグループは、原料調達から商品開発、製造、物流まで手がけており、単なる小売業ではありません。特徴を一言で表現するならば“流通企画会社”です。おいしい商品、新鮮な商品を低価格で提供するため、常に新しい流通システムの構築に取り組んでいるのです。
例えば昨年は、品質の良い野菜の供給力を高めるため、農業法人に出資を行いました。
 職種はコンサルティング、商品企画、広告・デザイン、輸入関連、システム開発など非常に幅広く、一般の小売業に多い販売職はありません。フィールドは広く、各種の専門知識を生かす場所、機会があふれています。
 企業にとって人、モノ、カネが経営資源ですが、特にCVS業界は人材が会社の未来を握っていると考えています。当社は風通しが良く、伸び伸び仕事に取り組める社風です。自分の発想で業務を推進していく、非常にやりがいのある職場だと思いますよ。
 ――どのような人材を求めていますか。
西山 第一のポイントは、論理的な思考です。当社は“流通企画会社”ですから、新規事業や新業態の企画・提案を求める機会も多い。計画性、理論構築、問題発見力に優れた人材が欲しいですね。  第二にグローバルな視点を持っていてほしい。当社は創業期、アメリカやヨーロッパから学びながら独自の事業モデルを構築してきました。現在も海外との取引は多く、国際的な感覚を発揮する場面が少なくない。世界基準を常に意識し、ローカルでありながらグローバルな視点で仕事を行う点は、当社の仕事の魅力でもありますね。
 第三に好奇心が強く、仕事が好きな人です。私がみる限り、こういうタイプの人はコミュニケーションが上手く、仕事に積極的に取り組み、組織を動かすリーダーに向いているからです。
 広く全国から優秀な人材を求めていますが、特に北海道で育ち学んだ学生であれば、北海道の企業に入って自らの手で本道の発展に貢献するという大いなる気概を持っている人材が欲しいですね。
 ――今の学生について。
西山 私の頃は就職活動のルールが厳格で4年生の10月1日が解禁日でした。大学の推薦枠は2社まででしたし、あれこれ就職先を選ぶ余裕はありませんでした。  今の学生さんはとても早い段階から就職活動を熱心にしていますね。インターンシップ制度を体験して入社された学生さんもおられます。本当にまじめな学生さんが多いという印象です。
 ただ、半面、自己アピールをあまりしない。積極性の不足も感じています。周囲に歩調をあわせる、ある意味での同調する力は高いのでしょうが、就職活動は個性が大切で、社会人になってからは、より自分らしさを伸ばしていくことが重要だと考えます。
 ――学生へのアドバイスを。
西山 3月から道内企業の多くが選考に入るでしょう。選考に入ってしまうと、自分の疑問点を聞く機会がなかなか無い。この時期に、各種の就職活動イベントに参加するだけではなく、企業の採用担当者に積極的に質問をして欲しい。それが自分のアピールにもつながります。話をした担当者が面接官になるケースが多いと、選考を受ける緊張も和らぎ、自分を素直に出せるでしょう。
担当者に聞く

総務部 総務人事課 課長|佐々木 威知さん
 採用スケジュールは2月下旬に単独会社説明会を行い、3月上旬まで会社訪問。その後、5月上旬の最終まで5回の選考があります。選考期間が比較的長いのは、当社をより深く理解してもらい、相思相愛の関係を築き上げたいからです。
 「小売業は文系」と思われている学生もいるようですが、理系の方も積極的に採用しています。
 面接の時はどうしてセイコーマートを希望するのか、熱意、意欲を一番伝えてほしいと考えています。
 入社後は5〜6カ月の新人研修を行い、配置が決まるのは大体、8〜9月です。運営部、商品部、販売促進部、経理や人事の管理部門のいずれかに配属されます。
 「セイコーマート」の認知度は非常に高いですが、社員数は約300人で、決して大企業ではありません。任せられる仕事の重要性は非常に高く、やりがいは大きい。キャリアにとらわれず、人の将来性をみて仕事を任せてくれる会社です。
 
(ききて・野口)